前回の記事で薄毛の原因やどの様に薄毛になってしまうのかと言うメカニズムをお伝えしました。
今は医学的に薄毛になってしまう原因も解明されており、臨床試験の結果に基づいた治療方法も確立されています。
今回の記事では薄毛(AGA)の治療が実際にどの様に行われるのかを詳しく解説していきます。
AGAの原因のおさらい
まず簡単にAGAの原因をおさらいしましょう。
男性ホルモンの「テストステロン」が頭皮の「5αリダクターゼ」と言う酵素と結びついて「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変化します。
このDHTが毛根の毛乳頭にある「男性ホルモンレセプター」と結合して脱毛因子「TGF-β」を増やし、このTGF-βが髪の成長を阻害すると言う流れでした。
ここで注目したのが「テストステロン」が「5αリダクターゼ」と結びついてしまう事がいけないのであれば、結びつかない様にすれば良いのでは?と言う事です。
そうするとDHTが作られずTGF-βも増えないという事ですね。
そこで「5αリダクターゼ」についてもう少し詳しく見ていきましょう。
2種類の5αリダクターゼ
実は「5αリダクターゼ」には2つの種類があり「Ⅰ型5αリダクターゼ」と「Ⅱ型5αリダクターゼ」があります。
「Ⅰ型5αリダクターゼ」は頭髪全体やヒゲ、陰毛、わき毛など、全身の毛乳頭に満遍なくあり皮脂腺に多いのが特徴です。
それに対して「Ⅱ型5αリダクターゼ」は前頭部や頭頂部の毛乳頭に集中していて、AGAは主に「Ⅱ型5αリダクターゼ」の影響を強く受けると言われています。
言われてみれば側頭部や後頭部から薄くなっている人っていないけどこれが理由だったのね。
AGAの治療方法は薬の服用
ここから本題の治療方法についてですがAGA治療は薬の服用がメインになります。
日本皮膚科学会が17名の医師によって作成した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」の中でも推奨している薬が書かれています。
厚生労働省が承認している薬は何種類かありますが、それぞれどの様な目的で使われているのか見ていきましょう。
脱毛ホルモンを止める
まず「テストステロン」と「Ⅱ型5αリダクターゼ」が結びつくのを邪魔して脱毛ホルモンを止めてくれる有効成分が「フィナステリド」と言う成分です。
フィナステリドを配合している代表的な薬が「プロペシア」で元々は前立腺肥大の治療用に開発された薬でしたが「抜け毛が減った」と言う副作用が報告され1997年に世界初のAGA治療薬としてアメリカで承認されました。
その後、日本でも2005年に承認され、他にも「フィナステリド錠」など色々なジェネリック薬も販売されるようになりました。
フィナステリドは服用をやめると、また脱毛ホルモンが作られて薄毛が進行してしまうので薬を飲み続けなくてはいけません。
髪の成長力を高める
次に髪の成長力を高めてくれる有効成分が「ミノキシジル」と言う成分です。
CMでよく見る市販の発毛剤にも含まれているので聞いた事がある方も多いと思います。
ミノキシジルも元々は高血圧な方の降圧剤として開発されましたが、「毛が濃くなった」と言う副作用が報告されこの副作用を逆に薄毛治療に活用しようという事で1980年代に外用薬として発売されました。
ミノキシジルには外用薬と内服薬がありますが内服薬はちゃんとした臨床試験も行われておらず副作用のリスクが高いとして、先程のガイドラインの中でも推奨度はDとなっています。
それに対して外用薬の推奨度はAで「行うよう強く勧める」と言う評価になっています。
ミノキシジルには毛母細胞の細胞分裂を活性化させる作用があり、髪の毛の成長スピードを早くして毛を太く長く育ててくれます。
フィナステリドだけでもAGAの進行は防げますし、AGAが進行しなければ髪は元の状態に戻っていきます。
ただその変化はとてもゆっくりなのでサポートする為にミノキシジルを使って、毛母細胞の細胞分裂をブーストしてあげるイメージですね。
AGA治療は超シンプル
他にもAGAの治療方法は色々ありますし、薬も色々なものがありますが基本はこの2つです。
「脱毛ホルモンを止めるフィナステリド」と「髪の成長力を高めるミノキシジル」を6~12か月ぐらい使ってみて、どんな変化があるか様子を見ると言う治療になります。
薬がジェネリックだったりクリニックのオリジナル薬だったりして名前が違う事はあると思いますが治療方法の基本はどのクリニックも大体同じなんですね。
薬の副作用とは?
薬にとって作用と副作用と言うのは紙一重で表裏一体なものでもあります。
AGA治療薬でも副作用のリスクはあると言われていますが臨床試験の結果をみても副作用が発生した確率は低いですし、何かあった時にはすぐ医師に相談する事で対処ができます。
因みに私は今までに副作用を感じた事はないですね。
薬ごとの副作用を見ていきましょう。
・勃起不全
・リビドー減退
・射精障害
・肝機能障害
また妊婦がフィナステリドを服用したり触ったりすると胎児の性器の発育に悪影響を及ぼすと言われているので、そもそも女性は触らない様にしましょう。
・頭皮のかぶれ
・発疹
・頭痛
腕の毛が濃くなったと言う副作用をよく聞きますが、これは外用薬ではなくミノキシジルを内服薬として飲んだ時の話です。
外用薬として使っている分にはそれほど副作用のリスクは高くないようです。
まとめ:ランニングコストが重要
この記事でお伝えした様に薄毛(AGA)の原因は男性ホルモンにあるので、昔から言われていたような「ストレス」とか「睡眠不足」と言う理由は薄毛(AGA)の直接の原因ではないって事なんですね。
逆に言えば男性ホルモンの問題さえ解決してあげれば髪は成長して増えてくれるし、成長力を高めてあげればそのスピードがアップするって事なんですね。
いたってシンプルですね。
ただ継続して薬を飲み続けなくてはいけないので、いかにランニングコストを下げて治療できるかが重要になってきます。
安く薬を処方してもらえるクリニックを見つける事が重要って事ですね。
そう言った意味でふくろうアイクリニックやイースト駅前クリニックはうってつけのクリニックだね。
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